ロシア皇帝:ニコライ二世最後の住居 アレクサンドル宮殿


琥珀の間で有名なエカテリー宮殿のそばに、やわらかな黄色が美しい壮麗な宮殿が立っています。
現在アレクサンドル宮殿と呼ばれているこの宮殿は、女帝エカテリーナのお気に入りの孫アレクサンドル一世の結婚式に向けて建設されました。イタリアの建築家クヴァレンギによる贅をつくした住居に皇帝一家が移り住んだのは1796年のことでした。

ロシア最後の皇帝ニコライ二世が1868年に生まれたのもアレクサンドル宮殿です。ニコライ二世は数ある宮殿のうちこの住居をこよなく愛し、1904年から革命までの日々を過ごしたのもここでした。

NHKドラマ「坂の上の雲」でニコライ二世が重臣の謁見を受けているのもこのアレクサンドル宮殿の書斎の間です。
皇妃アレクサンドラ・フョードロブナが皇帝をなじる場面の、流麗な柱をもつ階段に気づかれた方もいらっしゃったかもしれません。
実際、皇帝はここで重臣の謁見を受けたり、皇族や家臣たちとビリヤードに興じたそうです。

また、ドラマの中で皇帝と皇妃がかわいらしい子供たちを抱きかかえているのもアレクサンドル宮殿の一室なのです。

革命や戦争の波の中で、多くの貴重な品々が失われたり、疎開ののち一部がパブロフスク宮殿に移動させられましたが、復旧作業の進んだ今日、展示されている家具調度や装飾品、部屋の誂えなどは当時を想いださせるに十分です。

ニコライ二世の静かな人柄を思わせるような、落ち着いた趣味の良い様相に、エカテリーナ宮殿の鏡の間や、エルミタージュ宮殿、ペテルゴフの豪華絢爛さとはまた違った魅力を感じていただけることと思います。










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