極東便り　ウスリースクという町

2016-07-13

ロシアは広い。西のモスクワやサンクトペテルブルク、バナナみたいな形でしかも世界一の透明度を誇る湖で有名なバイカル湖の近くにあるイルクーツク、冬季オリンピックが開催されたソチ、ニュースで何かと話題になっている南部のクリミア半島、日本の近くにあるウラジオストクやサハリン、カムチャッカ半島など、有名な都市なら大抵の人がその地名を聞くと大体この辺りだと、地図を指さして位置の特定が可能です。しかし、ロシア国内ではそれなりに有名だけど外国人にはあまり馴染みのなさそうな町の場合は、地名を聞いた瞬間に「は？それどこ？」と、すぐにインターネットで検索したくなるのではないでしょうか。
ロシア極東にあるウスリースクもそんな町の一つ。「ウスリースク」という町について聞いたことがありますか？どんな町なのでしょうか？あなたはこの町を旅行したことがありますか？「地球の歩き方」などの旅行ガイドブックにもせいぜい駅名くらいしか載っていないこの町について、果たしてどのくらいの人が知っているのでしょうか。

ウスリースクはウラジオストクから約百キロ北に行ったところにある町で、人口は約１６万人（ウラジオストクの４分の１くらい）と言われています。ウラジオストクと比べて道がどこも平坦で、通りが碁盤の目のようになっている、少し小さくて静かな町です。

シベリア鉄道や北朝鮮からの列車が停車する駅で、市内には極東最大の中国市場もある交易の中心地なので、町中には北朝鮮からの出稼ぎ労働者や中国人が多く、中国製品が沢山見られます。

ウラジオストク同様、ウズベキスタン人・タジキスタン人・キルギス人・アルメニア人などの移民や出稼ぎ労働者も多く住んでいます。また、市中心部には軍司令部もあり、陸軍の重要拠点ともなっている町なのですよ。「え？陸軍？軍司令部？そんな町を旅行しても大丈夫なの？怖くない？」もちろん、街中で沢山の軍人さんが歩いていますし、軍関係の車両も見かけますが、普通に観光客として市内を見学して回ることができます。ウラジオストクだって軍港で海軍さんの町だけど、沢山の観光客が訪れているではありませんか。