かつては温水プールだった?救世主キリスト聖堂の歴史


金色のドームのまばゆい救世主キリスト聖堂
この聖堂は一度取り壊されて、2000年に立て直されたばかりなんです。
この聖堂はユニークな歴史を持つことで知られています。

救世主キリスト聖堂は、モスクワ川の悠々と流れるクロポトキンスカヤ駅周辺にあります。
ロシア語で「キリスト」を表す救世主ハリストス聖堂と呼ばれることもあります。
もともと、1812年ナポレオンのモスクワ侵攻に対する祖国戦争で勝利したことを神に感謝するために、1883年に建設された教会です。
施工には40年以上かけられた大作で、聖堂の高さは103mとモスクワで最も高い建物になりました。

しかしロシア革命後、ロシア正教は弾圧されました。
スターリンの命により1931年12月5日、聖堂は爆破され、跡地に「ソヴィエト宮殿」の企画が始まりました。
ソヴィエト宮殿は高さ400mを超える世界最大級の建物、頂上にはレーニンの像が建つ、という構想でしたが、独ソ戦の勃発により、工事は初期段階で中断を余儀なくされました。

結局ソヴィエト宮殿は建設されることなく、街中にぽっかりと空いた跡地が残された状態に。
その後フルシチョフの時代に、跡地から地下水が出ることが分かり、なんと野外温水プール「モスクワ」に生まれ変わったそうです!
温水プールは長らく市民に親しまれましたが、ソ連崩壊をきっかけにロシアの象徴として、もう一度聖堂を建て直そう、ということになりました。

聖堂の高さも当時と変わらず、内部も忠実に再現されています。
建物自体は新しいですが、ロシアの歴史や政治事情を色濃く反映した、興味深い名所の一つです。

【救世主キリスト聖堂 / Cathedral Of Christ The Savior Moscow】
住所:ヴォルホンカ通り15-17
時間:10:00-18:00、月曜は13:00-18:00
定休日:なし
料金:無料

文化芸術を感じる 2大帝都への旅








ロシアエクスプレス
ロシアエクスプレス

  • ロシア
  • モスクワ
  • 救世主ハリストス聖堂
  • 救世主キリスト聖堂