マトリョーシカ見聞録


可愛らしい入れ子人形マトリョーシカはロシアの代表的なお土産です。ふくよかな輪郭がロシアらしく、上下をひねると次から次へと一回り小さな人形が出てくる楽しさはまさにマトリョーシカならでは。ところが、その起源が意外なところにあることをご存知ですか?

マトリョーシカ誕生秘話
マトリョーシカがこの世に生を受けたのは、意外に新しく19世紀末のことです。モスクワ郊外のアブラムツェヴォで作られたのが初めてとされています。その元になったのは、日本の箱根の福禄寿の入れ子人形、または蔵王の5つだるまなのだそうです。どちらも開けると小さな人形が出てくる玩具で、これをロシアと結びつけたのが、ロシアの富豪マモントフの妻エリザヴェータでした。彼女はロシアの民芸保護に力を入れていましたが、この日本の人形をヒントにロシアの薫りのするものが作れないかと考え、アブラムツェヴォの文化施設に持ちこんだことが誕生のきっかけと言われています。その後マトリョーシカはセルギエフ村で大量に生産されるようになり、やがてパリの万国博覧会に出品され、世界的な知名度を得るようになりました。

昔のロシアの農民たちの間で“マトリョーナ”または“マトリョーシャ”は、女性に非常に多い名前でした。学者たちの説によれば、この名前はラテン語で“母”を意味する“mater”に由来しているそうです。この名前はロシア人にとって、健康的な農家の大家族の母親のイメージを連想させるのです。 その後この名前は、中にたくさんの人形を含み、木製で鮮やかな色づけがなされた人形を指す名前として使われるようになり、愛称の“マトリョーシカ”として定着したのです。

マトリョーシカは街のギフトショップや土産市場などで買うことができます。品質も値段も様々ではありますが、あまり安いものはうまく開かなかったり、顔の絵がイマイチだったりします。値段が高いものでも粗悪品があったりするので、購入する際は購入する際はきちんと手に取って確認してからにしましょう。また、マトリョーシカ自体が同じものでも、市場と空港では値段にかなりの差があります。もちろん品質が異なる場合もあり、高品質のものであればかなり高額となっています。なお、土産市場などでは交渉で値段が下がることもありますので、挑戦してみても良いかもしれません。







ロシアエクスプレス
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