美の殿堂、権力の中枢:クレムリンを歩く


クレムリンは首都モスクワの中央に位置し、歴代皇帝の住まいにして権力の中枢、ロシア正教の中心地でもありました。その主が共産党、次いで大統領に変わった今も、国の中枢として揺るぎない地位を保っています。

長い歴史を見守ってきたモスクワの中心地
クレムリンは「城塞」を意味する言葉で、モスクワに建設されたのは、12世紀、ユーリードルゴルーキーの時代とされています。その後、モスクワは公国の首都となり、15世紀、タタールの支配を脱し、全ロシア統一の地となりました。サンクトペテルブルグへの遷都後も、皇帝の戴冠式が行われるなど第2の首都として機能、ロシア革命後、再び首都に帰り咲きました。クレムリンはその長い歴史を物語る、生きた博物館と言えます。

高い城塞に囲まれて立つ美しい寺院と聖堂の数々
クレムリンの城塞の長さは2235M、総面積は28万平方メートルにも及びます。内部には、サボールナヤ広場を中心に、皇帝の戴冠式が行われたウスペンスキー教会、皇帝廟のあるアルハンゲリスキー大聖堂など、金色の円屋根をいただくロシア正教の寺院がたち並んでいます。また帝政ロシア時代の宝物を展示する武器庫、世界最大の鐘「鐘の皇帝」、革命後に建設されたクレムリン大会宮殿など、みどころも多く、じっくり見て回るには1日かかります。

クレムリン建築の特徴
ロシアの寺院に特徴的なドーム型の屋根は火災を表し、教会内で活躍する精霊を象徴しています。5つが基本で、中心の一際大きなものは主イエスキリスト、周りの4つはマタイなど4使徒を表しています。クレムリン内の寺院の多くは、主にイタリアの建築家を招き、時代に応じてヨーロッパの最新技術や様式をロシア建築と融合させたものになっています。城壁も北イタリアの要塞建築技術を応用しました。







ロシアエクスプレス
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