ロシアの首都モスクワの近郊には、「黄金の輪」と総称される都市群があります。この都市の数々をつなぐと輪になることからこう呼ばれます。どの町もそれぞれの美しさを誇っています。その北のほうに、ヤロスラヴリという町があります。ヤロスラヴリの歴史地区は、2005年、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。ヤロスラヴリで一番古い建物は、救世主修道院(スパスキー修道院)にある救世主顕栄聖堂(スパソ・プレオブラジェンスキー聖堂)で、現在の聖堂の建築年代は1506年から1516年にかけてで、1216年から1224年にかけて建設されました。救世主顕栄大聖堂のほかには、17世紀に遡る「ヤロスラヴリ式」と呼ばれる、赤レンガで建てられ白い明るい色のタイルを外観に張った聖堂がいくつかあります。預言者イリヤ聖堂(イリヤ・プロローク聖堂)はその中でも代表的なもので、黄金の輪の都市群の聖堂の中でも印象的なフレスコ画で飾られています。