ロシアは統一される前から欧州の様式を独自に取り入れ、また国土の広さから幅広い文化がある国なんです。
今回はそんなロシアの建築様式を順番に追ってみようと思います。
1.最初期(~10世紀ぐらいまで)
それまでのロシア(ルーシ)の建物は殆ど木造!
2.ルーシ時代からロマノフ朝誕生まで
現在のモスクワやウクライナ・ベラルーシまでをも含むキエフ大公国やノヴゴロド公国の時代から、その崩壊後の”相続人”となったモスクワ大公国の時代です。モスクワ大公国にはコンスタンティノープルの後継としてわれわれこそが第三のローマだ、という矜持があったのでキリスト教・正教会の建築が数多く生まれた時代でもあるんです。
この時代に流行したのはビザンチン様式といい、有名なもので以下のものがあります。
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キエフ・聖ソフィア大聖堂(10世紀はじめ)

モスクワ・聖ポクロフスキー大聖堂(聖ワシリィ教会・16世紀半ば)

ウラジーミル・生神女就寝大聖堂(12世紀半ば)
3.ロシアン・バロック
17世紀後半から18世紀半ばまで続いた西洋バロックの影響をもろに受けて流行。当時西欧大好きなピョートル大帝の後押しで”ヨーロッパへの窓”として急激な発展を遂げていた首都・サンクトペテルブルグはヨーロッパで修行したロシア人たちの手によって作られました。初期のバロックは”ピョートル・バロック”とも。”冬宮殿”や”エカテリーナ宮殿”を設計したイタリア人建築家・ラスレッリがとっても有名。

サンクトペテルブルグ・冬宮殿(現エルミタージュ宮殿本館・18世紀半ば)

サンクトペテルブルグ・ストロガノフ宮殿(18世紀半ば)