ソ連式ブラックジョーク


アネクドート(анекдо́т)というロシア版の落語には滑稽な小噺が数多くあるのですが、日本ではそのうち特にソ連時代の政治についての、当時はおおっぴらにできなかったブラックジョーク集が有名なので、今回そのうちブラック度の薄いものをいくつかをピックアップしてみました。

その1
有名なガガーリンの帰還を祝うパーティーにロシア正教のモスクワ総主教も参加しており、ガガーリンにこう尋ねた。「宇宙を飛んでいたとき、神の姿を見たか?」「見えませんでした。」「わが息子よ、神の姿が見えなかったことは自分の胸だけに収めておくように。」 暫くしてフルシチョフがガガーリンに同じことを尋ねた。総主教との約束を思い出したガガーリンは先ほどとは逆のことを答えた。「見えました。」「同志よ、神の姿が見えたことは誰にもいわないように。」

・・・お分かりになりましたか?共産主義では神の存在が認められていないことを皮肉ったものです。

その2
「あなたの職業は?」「物書きです。」 「ふん、労働者じゃないな。では、お前の両親は?」「商売をしておりました。」 「なんだ、ブルジョアか。お前の妻は?」「貴族の娘です。」 「ああ、ダメだ!お前は社会主義には相応しくない!…まあ、一応名前だけでも聞いておこうか。」「…カール・マルクス」

・・・今だから言えることってありますよね。カール・マルクスは『共産党宣言』などで社会主義を提唱し、ソ連のイデオロギーの根幹を形作った人物です。

では政治色の薄いものも。

その3
「どうして学校にこんな遅れて来たの?」 「だって先生言っていたじゃない。勉強するのに遅すぎるということはないって。」

・・・良い子のみんな、学校にはちゃんと行こうね。

その4
「パパ、どうしてインディアンは顔に色を塗るの?」「彼らがそうするときは、戦いの準備をする時なんだ。」 すこし後に息子は走ってきて叫びました。「パパ!ママが戦いを始めるみたいだ!」ママは鏡の前でお化粧をしていましたとさ。

・・・確かに女の人には毎日が戦いなのかもしれませんね。

さて、たくさんあるアネクドートのうち、ほんの少ししかご紹介できませんでしたが、いかがだったでしょうか。こんな小噺が出回って広く知られるようになったということは、ずいぶんと世の中が平和になった証拠と言えるのではないでしょうか。
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