イスラム教とキリスト教が共存する町


ロシア連邦を構成するタタールスタン共和国の首都・カザン。
世界遺産が2つもあるこの町には宗教的にとてもおもしろい歴史があるんです。

カザンが最初に歴史書に出てくるのは11世紀のことで、15世紀にはカザン=ハン国の首都として栄えましたが、16世紀にはイワン雷帝によって徹底的な破壊と征服の後、復興のために世界遺産のうちひとつであるカザン・クレムリンが建てられて現在でもその姿を見ることが出来ます。

つまり、カザンエリアはイスラム教とキリスト教が融合した文化が存在しているんですね。
特に有名なのが先ほども出てきたカザン・クレムリン、そして全宗教寺院です。

カザン・クレムリンにはもともとイスラム教を信仰していたカザン=ハン国によってクル=シャーリフ・モスクが建てられていたんですが、イワン雷帝のカザン侵攻によって破壊されてしまいました。 そのモスクがヨーロッパで最大級のイスラム教建築として再建されたのが、2005年6月のことです。意外と最近なんですね。ちゃんとモスクがあった場所に再建したんだとか。

スュユンビケ塔というクレムリンの後ろ側にある塔があるのですが、この塔の名前は、この塔から身を投げたカザン=ハン国最後の王妃にちなんでいるそうです。若干右に傾いていて、当時の戦禍のすさまじさを慮ることが出来ます。



全宗教寺院の建物にはカラフルな丸屋根、イスラム教の星や三日月、キリスト教の十字架などがあるものの、この寺院自体は特定の宗教のための施設ではなく、儀礼なども行われていません。



カザンにはここで取り上げたもの以外にも多くのモスク・教会が存在しています。
モスクと教会が混在する光景はこの地域ならではのもの。カザンを訪れた際はぜひご注目あれ!









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