サハリン観光①~日本時代の遺構~


日本の最北端、宗谷岬からさらに北約40㎞のところにあるサハリン(ユジノサハリンスク)。昔日本領だった時には樺太と呼ばれ、それまで小集落しかなかった平野に新しく札幌を模した豊原と呼ばれる都市が造られました。その街並みはソ連・ロシアの統治下となった今でも残っています。近年では地下に眠る原油・天然ガスなど資源の存在が確認され、注目を集めています。

まず、樺太が日本だった時代についてご紹介します。中学校や高校の日本史で勉強してご存知の方もいらっしゃると思いますが、1905年、日露戦争末期に日本軍がそれまでロシア領土だった樺太に侵攻、ポーツマス条約で日本の樺太南半分の領有が認められ、樺太はここから第二次世界大戦で日本が敗北するまで日本領として扱われました。そのためにユジノサハリンスクには今で言う県庁のような”樺太庁”と呼ばれる行政府が設置されたり、日本のように寺社などが設置されたりしました。これらの日本的な建築の中で今観光スポットになっているものが2、3あるので紹介します。

1.サハリン州立郷土博物館
恐らく日本で調べる観光スポットでサハリンを調べるとまず間違いなく最初にこの建物が出てきます。1937年に建てられ、この町が豊原と呼ばれていた時代のシンボルであった樺太庁博物館の一部の建造物と展示品を受け継いで開かれました。博物館としての収蔵品数は約8万点で、サハリンの歴史、自然、民族について多岐にわたる展示がなされています。日本時代の資料としてはかつて南北を日露で隔てていた時代におかれていた4つの国境標石のうち現物の天一號、レプリカの天三號やアイヌなど少数民族に関するもの、豊原期の資料など様々に展示されています。また、博物館の外ではリニューアルした噴水やきれいに手入れされたバラ園を拝める。また、樺太神社から移設されてきた狛犬や墓石、泰安殿が移築されています。日本統治の時代が終わって70年以上経った今となっても、この建物はユジノサハリンスクの市民たちにも愛されています。



2.サハリン州立美術館
こちらも元北海道拓殖銀行豊原支店を利用した美術館となっています。しっかりとした設計と石造りを模した見た目で往時の銀行の門構えの物々しさを現代に残しています。1989年に美術館となったこの建物は2階部分が吹き抜けになっていて中は意外と開放的。収蔵品数は7000点を数え、1階では現代美術が、2階ではロシア近現代美術と朝鮮系美術、そしてイコンの展示があります。また、入り口前広場ではロシアを代表する劇作家であり、1895年にサハリン島の実態を調査し、本を執筆したアントン・チェーホフの銅像が立っています。

3.鉄道歴史博物館
鉄道ファン必見です!
ユジノサハリンスク駅からすぐのところにあり、日本時代から今に至るまでのサハリン鉄道の写真や資料が数多く展示されています。博物館の北側では日本時代のSL、D51であったり、93年に日本から寄贈されたディーゼルカーなどが展示されています。あまり分かりやすいとは言えない博物館ですが、昔の鉄道に興味がある方には是非お勧めしたい博物館です!

さて、まだまだ紹介したいスポットはありますが、今回はこれまでにしておきます。それではまた次回!
日本から近く、日本的な雰囲気が残るユジノサハリンスクにあなたも行ってみませんか??
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